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2005-09-06

クールジャズ

subcontious_lee 「その1:リー・コニッツ/サブコンシャス・リー」

名盤以上の名盤じゃなかろうか。

私はバッハの音楽と、レニー・トリスターノとその一派が提唱した「クール・ジャズ」は、クラシックとジャズというジャンルを越えた「血縁音楽」だと思っている。

レニー・トリスターノやリー・コニッツやビリー・バウアーといった、俗に言う”クール派”の人達は、自分達のジャズを、より知的で研ぎ澄まされたものにするために、クラシック、とりわけバッハやシェーンベルクなどの研究に余念がなかったそうだ。

確かに彼らの「スパッ!」と均一に切ったような「縦割りのリズム」や、サックスとピアノ、サックスとギターなんかが対位法的に複雑に絡み合っていくソロ進行なんかを聴くと「ああ、バッハだねぇ」と、妙に納得してしまうのだが、私が「クールジャズはバッハ的だ!」と思える決定的な要素は、もっと他にある。

それは、バッハとクールジャズは共通して「未来的」だということだ。パッと聴くとバッハは最高にクラシックらしいクラシックだし、クールジャズは、いかにもモダン・ジャズ(ハード・バップ)誕生以前の洗練を、これ以上ないほど具体的に感じさせる。

しかし、両者の音に惚れ込んで、ジックリと時間をかけて聴いてみると、非常に現代的なスピード感と、硬質な音の質感、それらが生み出す独特の「後ノリでも先ノリでもない、すべてがドンピシャな”真ん中ノリ”のグルーヴ」に、聴覚がゲシュタルト崩壊を起こしてしまい、両者の音が音楽の歴史をグルッと回って未来に辿り着いて響いているかのような錯覚を感じてしまう。

これは一体どういう感覚だろう?何故大昔の音楽がとても未来的に響くのだろう。いろいろ考えたが、結論らしい結論には未だ辿り着いていない。

おっと、このアルバムについて触れずに終わるところだった。

このアルバムはレニー・トリスターノの高弟、リー・コニッツ(as)のデビュー作で、師匠トリスターノも全面参加した、クールジャズの聖典的アルバム。「クールジャズ」がどういうものか、今日は敢えて説明しません。分からない人はコレを聴いてください。とりあえずバラードの「ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド」は必聴です。「冥王星のラヴ・ソング」(by高野雲氏)です。

・・・「Iricoはクールジャズです」って言っても誰も信じてくれんしなぁ(苦笑)。

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多くのジャズはエネルギッシュだし、 熱いし、 勢いに溢れている。 だから私はジャズが好きなんだろうし、 浪人時代から飽きもせず聴き続けているのだろう。 しかし、こんなこと言うと、 先述したジャズの大きな特徴とは正反対のことを言うが、 私は、冷ややかな肌触り... [続きを読む]

コメント

メンバーのアッシもまだクールジャズ?って感じです。(笑)

引用、どうもです(笑)。
冷たいねぇ。
さびしいねぇ。
ぽっつんだよねぇ。
茫然自失だよねぇ。

な、感じですね。

>ユーキ殿
「え?Iricoはクールジャズだよ!」 ・・・と言い続けて早3年だ。クールジャズだと思ってくれる人は一人も増えんよ(笑)。

>雲様
正にその通りです。しかし新blogは凄まじい勢いですね。毎日楽しみです。

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